アライメントが正常でも、ハンドル流れが発生する場合があります。
そのほとんどが、タイヤの影響によりハンドル流れが発生している場合があります。
今回は、タイヤについていろいろご説明いたします。
当たり前のごとく「単位面積当たりのグリップ力」を求め、全天候での走行安定性と走行安全性を追求して開発されています。そんな中、消費者の要求で耐摩耗性能を含めた耐久性の向上や走行中の静粛性が求められるとともに、地球環境の面からは「エコ」性能の向上が求められて開発されています。エコ性能とグリップ性能とは相反する性能ですがそれを見事両立させている日本製タイヤは立派だといえますでしょう。
タイヤの品質及び性能の告知は各メーカーともセールストーク的内容がほどんどで、タイヤには何処もが公表していない秘密な部分がたくさんあります。
我々、車のメンテナンスをする立場からタイヤの性能を追求した場合、タイヤは走行中車軸を中心にまん丸く、均一にそして真っすぐに転がる事が望ましく、それもどのスピード領域でも変化無く走行できることを理想としています。しかしそのほとんどの項目で100%はかなえらえる事無く製造されているのが現実です。タイヤは基本構造体である各種のベルトやカーカスをゴム質で覆った丈夫なゴムマリの様な商品で、複数の金型で一体成型して製造されています。出来上がったそのタイヤ1本1本が人間と同じように個性を持って生まれてきます。
タイヤメーカーは同一個性を理想としてタイヤを製造すべく、技術や設備に力を入れて研究開発している事は疑う余地もありませんが、なかなか叶えられていません。
オーナーにとっても我々直す立場の者にとっても一番手強く不快なトラブルのひとつに、車が真っすぐ走らない、ハンドルがどちらかの一方へ取られる症状(ハンドルから手を放すと左右のどちらかに向きを変えてしまう現象)だと思います。
このハンドル流れの診断には何処から手を付けるのが賢明なのか迷うところであります。
車両側の剛性やサスペンションにガタも変形等も無く、そして、ホイールアライメントが適正にバランスが取れていても上記のハンドル流れが発生する状況が有れば、タイヤによる影響であると判断できます。
ここで、正確なデーターのホイールアライメント診断が生きてきます。
このタイヤによる影響を一般的な呼称としてタイヤの「コニシティ現象」と呼んでいます。
コニシティ現象とはタイヤを車両に装着した状態で回転させたときにタイヤに発生する横方向の力(ラテラル・フォース)のいたずらの事で、発生する要因はタイヤ自身の剛性不良や寸法の不均等(ユニフォミティー不良)があげられます。
この状態の一般的コニシティ現象の場合は、タイヤをローテーションする事によりラテラルフォースを打ち消しあうセットにして解決する事も出来ますが、大変労力のいる事となります。当社ではオーナー様のお困り事を解消する為、アライメント調整後一番良いタイヤポジションを設定しお引渡ししていますが100%かなえられる保証はありません。
このコニシティ現象の内で一番困るのがコニシティ現象の内の一つである、「プライステア」と呼ばれるトラブルです。タイヤの構造体であるベルトの組付けに奇異する為、タイヤをローテーションしても解決できません。
これは道路の通行方向(右側、左側通行)を考えて、タイヤの構造体であるベルトの組付け角度を微妙に変えてある為に発生するトラブルです。日本製の日本仕様のタイヤ(輸出用タイヤは別物)では左側通行に合うプライ設定となっているのでプライステアによるコニシティ現象の発生は僅か(ゼロでは有りません。)で、一般的なコニシティ現象が殆どです。
輸入品タイヤではグローバルな市場性(右側通行の国が多い)を考慮して右側通行用にセットされての製造となる為、左側通行である日本での使用には少し無理が出てしまいハンドルの左流れが発生する事が多くなります。
国産のハイグレードタイヤでもコニシティがゼロには至っていませんが発生率は低く抑えられています。このコニシティ現象をいかに少なく出来るのかはタイヤメーカーの永遠のテーマとなっており、各メーカーが色々な特許申請している事からも苦労が伺えます。
僅かなハンドル流れも故障と思われがちですが、故障に有らずとのご理解も必要です。
ハンドル流れを気にされるオーナー様は日本製のハイグレードなタイヤを装着される事で、相当な改善がなされると経験上知り得ていりますのでお勧め致します。
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中部アライメントセンター
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